
生後2か月からのワクチンデビューと予定の立て方
赤ちゃんの予防接種は、生後2か月になった日から接種可能となるため、1か月健診がすんだころから受ける場所をさがして、最初の予約を入れます。
この記事では、生後2か月の最初に受ける主なワクチンの一覧、受けられる月齢・あける日数・期限の見かたをまとめました。母子健康手帳や予診票で見ておくところ、予約の前にそろえる持ち物もわかります。体調がすぐれないときや里帰りで予定がずれたときに、小児科と市の窓口のどちらに相談するかまで順に確かめられます。
この記事の要点まとめ
- 赤ちゃんの予防接種は生後2か月から始まり、初回はロタウイルス、五種混合、小児用肺炎球菌、B型肝炎が主な対象です。
- ワクチンごとの対象月齢・接種間隔・期限を確認し、母子健康手帳と予診票を用意して日程を相談しましょう。
- 体調やアレルギー、日程変更は小児科へ、市外での接種や予診票の手続きは自治体の窓口へ相談できます。
- 生後2か月からの予定は、対象月齢・接種間隔・期限を分けて確認
- 初めての予防接種で確認しておきたい持ち物と来院環境
- 接種前の体調やアレルギー歴も、予約前に確認したいこと
- 予定がずれたときや体調が気になるときは、何を伝えて相談する?
生後2か月からの予定は、対象月齢・接種間隔・期限を分けて確認
生後2か月から始まる定期接種は、「いつから受けられるか(対象月齢)」「次まで何日あけるか(接種間隔)」「いつまでに受けるか(期限)」の3つを分けて確認すると整理しやすくなります1。
生後2か月の初回に受ける主なワクチンと、飲む・注射する受け方の違い
生後2か月から受けられる定期接種は、おもにロタウイルスワクチン、五種混合ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチンの4つです。
このうちロタウイルスワクチンは口から飲む「生ワクチン」で、ほかの3種類は注射で受ける「不活化ワクチン」です。病気を防ぐ力を遅れずにつけるため、1回の受診でいくつかのワクチンを同じ日に受ける「同時接種」がよく行われています。
0歳から1歳ごろまでの主な定期接種を月齢順に並べた一覧表
0歳から1歳ごろまでに受ける主な定期接種は、ワクチンの種類ごとに対象月齢や回数が定められています1。
| ワクチン名 | 接種方法・種類 | 対象月齢・開始時期の目安 | 主な接種回数(0〜1歳ごろ) | 接種期限の目安 |
|---|---|---|---|---|
| ロタウイルス | 経口・生ワクチン | 生後2か月(標準は生後8〜14週) | 2回(1価)または3回(5価) | 1価:生後24週まで/5価:生後32週まで |
| 小児用肺炎球菌 | 注射・不活化ワクチン | 生後2か月から | 初回3回+1歳以降に追加1回 | 5歳に至るまで |
| B型肝炎 | 注射・不活化ワクチン | 生後2か月から | 1歳になるまでに3回 | 1歳に至るまで |
| 五種混合 | 注射・不活化ワクチン | 生後2か月から | 初回3回+1歳以降に追加1回 | 7歳6か月に至るまで |
| BCG | 注射(スタンプ式)・生ワクチン | 生後5〜8か月ごろ | 1回 | 1歳に至るまで |
| 麻しん風しん混合(MR)・水痘など | 注射・生ワクチン | 1歳になったら早期 | 各1回(その後追加あり) | 第1期は2歳に至るまで(水痘は3歳まで) |
同じ種類のワクチンを複数回受けるには決められた間隔をあける必要があり、また注射の生ワクチンどうしを別日に受ける場合は27日以上の間隔をあける決まりがあります2。ワクチンごとに受けられる月齢が決まっているため、表の時期を目安に進めます。細かな日程は自治体の案内や医療機関で確認してください。
「2か月になった当日に受けないといけない」「予定は保護者がすべて組む」というよくある誤解
生後2か月という時期は「接種を受けられるようになる起点」であり、誕生日を迎えたその当日に受けなければならないわけではありません1。ただし、ロタウイルスやB型肝炎のように月齢や年齢で公費接種の期限が決まっているものもあるため、1か月健診を終えたら早めに初回の日程を相談することが勧められます1。
また、月齢ごとの一覧表は保護者だけで完璧なスケジュールを完成させるためのものではなく、これまでの接種歴・期限・お子様の体調を医師とすり合わせるための確認表として使うものです。当院では『正しい診断』と『わかりやすい説明』を診療の軸に置き、お子様と同じ目線に立って、保護者の方が理解できるまでゆっくりお話しし、治療や予防が生活の一部になるよう支えることを心がけています。
ポイント
生後2か月は接種が可能になる起点です。スケジュール表は保護者だけで完成させようとせず、医師と次回以降の日程や期限を確かめるための表として活用しましょう。
初めての予防接種で確認しておきたい持ち物と来院環境

初回の予約を入れる前に、自治体から届いた予診票と母子健康手帳の記録欄を確認し、当日の持ち物や来院時の環境を確かめておくと落ち着いて受診できます1。
東海市の予診票・母子健康手帳・自治体の案内で見ておく箇所
予約の前に手元で見ておきたいのは、母子健康手帳の「予防接種の記録」ページ、自治体から届いた予診票の束、そして予防接種の案内冊子の3点です1。
予診票では、生後2か月で使うワクチンの用紙がそろっているかと、当日の体温・出生時の体重・これまでの病気やアレルギーの有無を記入する欄を事前に確認しておきます1。自治体の案内冊子には、公費(定期接種)として受けられる対象月齢や期間が書かれています1。
東海市にお住まいの方が、大府市などほかの市の医療機関や里帰り先で受けたいときは、前もって手続きが必要なことがあります。手続きのしかたや自分で払うお金のあつかいは市町村ごとにちがうため、予約の前にお住まいの市の担当窓口へたずねてください。
予約前に手元にそろえるものと、夫婦で共有したい確認メモ
予防接種の当日までにそろえる一般的な持ち物と、ご家族で共有しておきたい確認メモは次の通りです1。
- 母子健康手帳:接種記録を記入するため必須です(忘れると接種を受けられないことがあります)1
- 予診票:その日に受けるワクチンの用紙に、質問事項を記入して持参します1
- 健康保険証・子ども医療証:診察や薬の処方が生じた場合に備えて持参します
- 夫婦で共有する確認メモ:「生年月日から数えた月齢」「今回受けるワクチンの種類」「同行できる日と一人で連れて行く日の分担」「気になる体調や湿疹の有無」
交代勤務などでご夫婦の予定が合いにくい場合も、このメモを共有しておくと、どちらが連れて行く日でも同じ情報を医師に伝えられます。なお、医療機関によって必要な書類や予約方法が異なるため、最終的な持ち物は予約時に医療機関へお問い合わせください。
当院では予防接種・健診で来院する患者さまの待合室と診察室を分けています
生後間もない赤ちゃんを一人で連れて外出する際、待合室で他の患者さまから感染症がうつらないか心配される保護者の方は少なくありません。
当院では、発熱など感染症が疑われる患者さまと、予防接種や乳児健診で来院される患者さまの待合室・診察室を分けてご案内しています。さらに、強い感染力をもつ疾患が疑われる場合には隔離室を用いて診察を行い、患者さま同士の接触や空気感染を防ぐ環境づくりに努めています。
当院は、名鉄常滑線の聚楽園駅から徒歩13分です。20台停められる大型駐車場があり、ベビーカーやチャイルドシートを使ったお車での来院にも対応しています(診療時間はアクセスページでご確認ください)。
接種前の体調やアレルギー歴も、予約前に確認したいこと
赤ちゃんに発熱や湿疹などの気になる症状があるときは、自己判断で予定を取り消す前に、症状の経過をメモして医療機関へ相談することが大切です1。
発熱や鼻水、機嫌の悪さがあるときに予約前に整理しておく情報
接種が近づいた時期に鼻水や咳、機嫌の悪さなどが見られるときは、いつから症状があるか、普段と比べて母乳やミルクの飲み具合はどうか、周囲のご家族に発熱や感染症の人がいないかを整理しておきましょう1。
接種当日は自宅でも体温を測り、普段の平熱と比べて高くないかを確認します1。明らかな発熱(通常37.5℃以上)がある場合などは接種を見合わせますが、軽い鼻水程度で受けられるかどうかは当日の診察で医師が判断します1。迷ったときは自己判断で予約を諦めず、事前に医療機関へ電話などで状況を伝えて相談してください。
アレルギー歴・早産・持病がある赤ちゃんで事前に伝えておきたいこと
お顔の湿疹や授乳後の赤みなどアレルギーが気になる症状がある場合や、ご家族にアレルギー疾患がある場合、また前回の予防接種で体調に変化があった場合は、予診票に記入して診察時に医師へ伝えます1。
また、早産や低出生体重で生まれたお子様、心臓や神経などの基礎疾患で通院中のお子様、けいれんの既往や服用中の薬があるお子様についても、事前の申し出が必要です1。生まれた週数や治療の状況によっては、標準的な月齢スケジュールとは異なる注意点を確認したり、主治医と連携して接種時期を判断したりすることがあるため、予約の段階で伝えておくとスムーズです1。
予防接種と普段の体調・アレルギーの相談を同じ小児科で続けられること
生後2か月からの予防接種は、1歳までに複数回の受診が続くため、普段の風邪や肌トラブルも一緒に相談できる小児科を選んでおくと受診の負担が軽くなります。
当院では、日本小児科学会の小児科専門医と、日本アレルギー学会のアレルギー専門医の資格をもつ院長が診療しています。かぜやおなかの痛みなどの急な症状から、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、ぜんそくなどの長く続く病気、乳児健診や予防接種までまとめて診ています。
また、血液検査や感染症を調べる機器、鼻水を吸い取る機器や吸入器などもそろえています。予防接種で通うなかで体調の変化や湿疹が気になったときも、同じ窓口で診察やケアのご相談をお受けしています。
ポイント
鼻水や湿疹、早産などの気がかりがあるときは、予約時や予診票で医師に伝えましょう。予防接種と日常の体調・アレルギー相談を同じ小児科で続けられると、成長に沿った確認がしやすくなります。
予定がずれたときや体調が気になるときは、何を伝えて相談する?
里帰りから戻るときや、お子さまの体調がすぐれないとき、ご家族の都合で最初の接種がずれたときも、まずは期限のあるワクチンをたしかめ、小児科や市の窓口に相談して日にちを組み直します。
ロタウイルスワクチンの期限と、接種後の様子・任意接種の費用
定期接種のなかでも特に開始時期に注意したいのが、口から飲むロタウイルスワクチンです1。
ロタウイルスワクチンの標準的な初回接種時期は生後2か月(生後8週)から生後14週6日までとされています。すべての回数を終える期限も、2回接種の1価ワクチンで生後24週まで、3回接種の5価ワクチンで生後32週までと厳密に決まっています。生後15週以降の初回接種は原則として勧められていないため、体調不良や里帰りなどで開始が遅れそうなときは、気づいた時点で早めに小児科へ連絡してください1。
ロタウイルスワクチンでは、接種後1〜2週間ほどは腸重積症のサインに気をつけて様子を見ます。激しく泣く、吐くことをくり返す、血便が出るといった様子がないかを確かめます1。
なお、予防接種のあとには、打ったところが痛む・赤くなる・腫れる・しこりができる、熱が出る、機嫌が悪くなる、下痢や吐くなどがみられることがあります。また、まれな重い副反応として、アナフィラキシーなどのアレルギー反応があります1。
また、生後6か月以降になると、冬場の流行に備えて季節性インフルエンザワクチンの接種を検討するご家庭も増えます3。インフルエンザワクチンや公費の期間を外れた接種は自由診療(公的医療保険が適用されない任意接種)となります31。
費用は医療機関やワクチンの種類で異なるため、当院の費用は診察のうえでご案内します。接種回数や時期とあわせて受診時にご確認ください。
状況別:小児科に相談すること、自治体に確認すること
予定がずれたときや手続きに迷ったときは、困りごとの内容によって「小児科」と「自治体の窓口」のどちらに連絡するかを分けると整理しやすくなります。
- 小児科に相談すること:「生後2か月を過ぎてしまい、どのワクチンから優先して予定を組み直すか」「鼻水や湿疹があるが接種できるか」「同時接種の組み合わせや次回の予約間隔をどうするか」1
- 自治体の窓口に確認すること:「転入や紛失で東海市などの予診票が手元にない」「里帰り先や市外の医療機関で定期接種を受けたい(依頼書などの手続き)」。また「公費で受けられる期間や、期間を過ぎたときの自己負担のあつかいを知りたい」ときも窓口でたずねます1
たとえば「夫が休みの日まで初回接種を待ちたい」と迷っているときは、まずロタウイルスワクチンの生後14週6日という目安を超えないかを確かめます。日が空きそうであれば、同行を待たずに一度小児科へ予約の相談を入れておくとよいでしょう。
当院では保護者の些細な疑問もそのままにしないことを心がけています
初めての育児では、寝不足のなかで何枚もの予診票を見比べ、「この月齢で合っているのか」「少し鼻水が出ているけれど連れて行ってよいのか」と一人で抱え込んでしまう保護者の方も少なくありません。
当院では、自分の体調をうまく言葉で伝えられない幼いお子様のために、保護者の方の些細な疑問や気がかりもそのままにしないという姿勢で日々の診療に向き合っています。お子様にとってクリニックは注射をする嫌な場所と感じられがちですが、健やかに成長するための通過点として、ご家族と一緒に前向きに向き合えるようサポートさせていただきます。
スケジュール表をご自身だけで完成させてから予約しようと気負う必要はありません。まずは母子健康手帳と自治体から届いた予診票をお手元にそろえて、初回の接種時期や気になる体調について、どうぞお気軽にご相談ください。
ポイント
初回接種が遅れそうなときは、ロタウイルスワクチン(生後14週6日までの開始が目安)の期限を確認し、日程の組み直しは小児科へ、予診票や市外接種の手続きは自治体へ相談しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 赤ちゃんのワクチンデビューはいつ頃が良いですか?
A. 赤ちゃんの予防接種(ワクチンデビュー)は、生後2か月の誕生日を迎えた日から始めるのが一般的です1。お母さんから譲り受けた免疫が少しずつ減り始める時期に備えるため、生後1か月健診を終えたら早めに近くの小児科を探し、生後2か月に合わせて初回の予約を入れることが勧められます1。
Q2. 生後2か月のワクチンでは何を打ちますか?0歳で受けるワクチンには何がありますか?
A. 生後2か月の最初の接種では、口から飲むロタウイルスワクチンと、注射で受ける小児用肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、五種混合ワクチンの4つがおもな定期接種です。そのあと、生後3〜4か月ごろに2回目・3回目を受けます(B型肝炎の3回目は生後7〜8か月ごろが目安です)。生後5〜8か月ごろにBCG(結核)ワクチンを受け、追加の接種は1歳をすぎてから行います。
Q3. 赤ちゃんが当日ワクチンを打てない割合や、延期になるのはどのような場合ですか?
A. 接種を見合わせる割合は季節や流行状況によって異なり一概には言えませんが、当日に明らかな発熱(通常37.5℃以上)がある場合や、重い急性の病気にかかっている場合などは接種を延期します1。軽い鼻水や湿疹があるときに接種できるかどうかは医師が診察して判断しますので、気になる症状があれば事前に医療機関へご相談ください1。
Q4. 湿疹や食物アレルギー、赤ちゃんの日々の相談も予防接種と一緒にできますか?
A. 当院は小児科とアレルギー科をかかげており、予防接種とあわせて湿疹や、離乳食を始めるときの食物アレルギーの相談もお受けしています。また赤ちゃんの日々のちょっとした悩みについてもご気軽にご相談ください。
参考文献
当院では保護者の方から赤ちゃんの予防接種についてご相談いただいた際、日本小児科学会の予防接種スケジュールを参考にして、ワクチンの接種間隔について確認しています。
1. 厚生労働省. 予防接種・ワクチン情報. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/index.html
2. 異なる種類のワクチンを接種する際の接種間隔のルール – 市川市公式Webサイト(保健センター 健康支援課). https://www.city.ichikawa.lg.jp/page/7111.html
3. 厚生労働省. インフルエンザワクチン(季節性). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/influenza/index.html
4. Esposito S, Marchisio P, Ansaldi F et al. A randomized clinical trial assessing immunogenicity and safety of a double dose of virosomal-adjuvanted influenza vaccine administered to unprimed children aged 6-35 months. Vaccine (2010). PMID: 20670909. DOI: 10.1016/j.vaccine.2010.07.041
5. Korbal P, Wysocki J, Jackowska T et al. Phase 3 Safety and Immunogenicity Study of a Three-dose Series of Twenty-valent Pneumococcal Conjugate Vaccine in Healthy Infants and Toddlers. The Pediatric infectious disease journal (2024). PMID: 38456705. DOI: 10.1097/INF.0000000000004300
6. Aaby P, Lisse IM, Whittle H et al. Long-term survival in trial of medium-titre Edmonston-Zagreb measles vaccine in Guinea-Bissau: five-year follow-up. Epidemiology and infection (1994). PMID: 8150016. DOI: 10.1017/s0950268800057836
大同病院小児科
大同病院小児科医長
大同病院新生児科医長
日本アレルギー学会専門医
日本小児科学会
日本アレルギー学会
日本小児アレルギー学会
日本小児感染症学会
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